線形独立・線形従属とは
線形独立・線形従属は線形代数序盤で引っかかりやすいポイントかと思います。わかったつもりでいても、問題で線形独立を示せと言われると難しく感じたりします。ですが、これからも度々登場するのでここでしっかりマスターしましょう。
線形独立・線形従属は線型独立・線型従属や1次独立・1次従属と書くことも多くあります。全部同じ意味ですが、ここでは線形独立・線形従属で統一しようと思います。
さて、線形独立かどうかの判定にはいろいろな方法があります。
- 連立方程式を作り、ベクトルの係数をじっくり解いていく方法
- 列ベクトルを横に繋げた行列を簡約化し、ベクトルの係数を解く方法
- 列ベクトルを横に繋げた行列の階数(rank)を計算し、ベクトルの数との相違をみる方法
- 列ベクトルを横に繋げた行列の行列式を計算し、0になるかどうかで判定する方法
最初は1番上をやります。学習が進むと2つ目以降の方法が使えるようになってきます。今は何を言っているのかわからなくても大丈夫ですが、勉強するとこの判定の問題も簡単に解けるようになります。
ここでは主に、線形独立と線形従属とはなんぞや、という点と初学者向けの判定などの解法を紹介することにします。行列計算やrankや行列式を用いてなぜ判定ができるのか、またその詳しいやり方については今後更新予定の記事をご覧いただければと思います。では早速見ていきましょう!
おすすめの解説サイト
続いておすすめの解説サイトを紹介していきます。
おぐえもん.com
こちらもビジュアル的に見やすいサイトです。他のサイト様と比べても、具体例を用いたじっくり優しい解説がなされています。線形独立とか言われても何言ってんのかわかんねえよ!という方はまずはこちらのサイトをご覧になるといいかと思います。
線形独立の判定についても、はじめに教わる「1.連立方程式をちまちま解くやり方」から「3.行列の階数(rank)を用いたやり方」につなげていくような解説がされています。

線形代数を宇宙一わかりやすく解説してみるサイト
当サイトでもおなじみのこのサイトですが、ビジュアルがよく非常に見やすいサイトです。具体例を示して解説しているので、
線形独立の判定には「2.拡大係数行列の簡約化」を用いた方法を紹介しています。このやり方についても、図を用いてわかりやすく示しているのでおすすめです。

高校数学の美しい物語
わかりやすい例として2つの平面ベクトルを挙げ、図形的な意味も含め線形独立についてシンプルに解説しています。線形独立の判定は、2つの平面ベクトルにおいて連立方程式的な解き方を紹介。難しいことはここでは触れていないので、初学者の方におすすめのサイトです。

ヨビノリ
線形代数といえばこれ!YouTubeで人気の「予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」」です。とてもわかりやすく解説されています。
レポート問題の解答のために
海洋大学講義資料(PDFファイル)
線形独立かどうかの判定、及び線形従属の場合に1つのベクトルを他のベクトルの線形結合で表す問題の解法・解答例が掲載されています。行列を使わず、連立方程式を解く手法をとっています。
この他、文字$a$を含んだベクトルの組が線形独立であるときの$a$の条件を求める問題もあります。これらは最も鉄板の問題なので、非常に参考になると思います。
http://www2.kaiyodai.ac.jp/~yoshi-s/Lectures/LAlgebra/2008-2nd/ex_LA_2nd_4_ans.pdf
工学院大学講義資料(PDFファイル)
上の海洋大学講義資料と同じような内容です。こちらも解答例がわかりやすく紹介されています。
https://brain.cc.kogakuin.ac.jp/~kanamaru/lecture/senkei/senkei05-ans.pdf
同志社大学講義資料
rankや行列式、連立方程式もいらない特殊な問題(「基本ベクトルの1次独立性」や「1, $x$, $x^2$, …, $x^n$というベクトルの1次独立性(n次の多項式っぽいやつ)」など)が掲載されています。線形代数の習い始めでは、よくレポートに出題されます。
スマナビング!
「あるベクトルを線形独立な複数のベクトルで表すとき、そのベクトルの係数は1通りしかない」の証明と、それを用いて「交点の位置ベクトル」を線形独立なベクトルの和で表す問題の解説がなされています。

神奈川大学講義資料(PDFファイル)
大量の例題、特に証明問題があります。
・標準ベクトルの組は線形独立(P112)
・零ベクトルを含むベクトルの組は線形従属(P113)
・多項式環における元1, $x$, $x^2$は線形独立(P113)
・ベクトルの組が線形従属であることと、その内少なくとも1つのベクトルが他のベクトルの線形結合で書けること(P113)
・n個のベクトルの組が線形独立であればそこから1つ取り除いたn-1個のベクトルの組も線形独立(P114)
知恵袋
線形結合で表せることの証明や線形独立を数学的帰納法を用いた証明

ベクトル空間と線形独立の証明問題

線形独立の条件について

簡単な線形独立の証明

最後に
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